炎の矢

                         
「春」の謎解きも、残すところあと数回となりました。
結局、本編を無視して突っ走り、分かりにくくなってしまったような気もしますが、きっと管理人H氏が、後々丁寧にまとめてくれると思います…


今回は「炎の矢」の解説です。
エロスの矢と言えば、恋を自在に操るアイテムとして有名で、黄金の鏃(矢じり)と鉛の鏃や、甘い水・苦い水など様々なバージョンがあるようです。
この固定観念が誤解を招くのです。


言葉に非ず(2/24)」で指摘しましたが、ボッティチェリは言葉を必要としない画家でした。
したがって、彼の描くディティールが一般的な構図を逸脱している場合、そこには必ず重大な意味が込められています。私はこれをプリマヴェーラの「4つの謎」と考えました(「5つの謎と5W1H(6/30)」参照)。
本来、金属製である筈の鏃に、炎を点した画家の意図とは、いったい何だったのでしょうか?


ヒント③(1/27)」の中で指摘していますが、「春」にはゼピュロスがプシュケを運んだ後の場面が描かれています。
したがって、エロスの矢が恋のアイテムとして描かれる道理がないのです。


もったいぶるのは止しましょう。
エロスの矢は、∧(♂)すなわち彼の男根を象徴するものです(縦糸⑧、横糸①の半分の解答)。
矢をそのように見立てる慣わしは、洋の東西を問わず太古から存在しており、画家がこの表徴を自らの絵に持ち込んだことに、何ら不思議はありません。
だとすれば、炎が意味するところは…もうお分かりですね。


さて、次回は∨(♀)のヒント④をupします。
ボッティチェリに倣い、一切言葉を使いませんので、回答をよろしくお願いします。
(snow)