2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

プシュケの姿態(エピローグに代えて)

先日ようやく、映画「天使と悪魔」を見ました。 遅いよ! ダン・ブラウンはベルニーニの天使を上手に使って、ラングドン教授を「答え」へと導くのですが、 私の頭の中は???で一杯になってしまいました。 ベルニーニは代表作「聖女テレサの法悦(サンタ・…

2人のヴィーナス

1481年10月から1482年3月にかけて、ボッティチェリはローマ(ヴァチカン)に遠征し、システィーナ礼拝堂に3枚のフレスコ画他を描きました。 その後、礼拝堂にはミケランジェロが天井画9面と「最後の審判」を描いています。 作品の出来はさておき、半年間のロ…

ローマへ

ジュリアーノ・デ・メディチがパッツィ事件で暗殺されなかったら… 「春」の運命は、ずいぶん違うものになっただろう、と私は考えています。 ひょっとすると、「ヴィーナスの誕生」は描かれなかったかもしれません。 それにしても、シモネッタとジュリアーノ…

パッツィ事件

ボッティチェリが「春」の制作に要した時間は、おそらく2年弱だったと私は推測します。 というか、私が小説家なら、絵の完成披露は1478年4月22〜23日頃に設定するでしょう。 「春」がシモネッタの生前に描かれる道理はありません(命日は1476年4月26日(金)…

春の寓意

allegoria della Primavera 春の寓意 なんと見事なネーミングでしょうか。 この絵の意図が判らないが故に、 「ヴィーナスの統治(または治国)」などと、別のタイトルを与えたり、 これを命名したのは、画家ではなくヴァザーリである、と考える人たちがいる…