2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

プシュケの女陰

刺激的なタイトルにつられて、やって来た方もおられるかもしれませんが、ここはいたって健全なブログです。悪しからず… ボッティチェリはエロスの矢∧の相方、すなわちプシュケの女陰∨の表徴として、アイリス(菖蒲)を選びました。これは誠に当を得た発想だ…

的の探索

「春」の中央、少し奥まった位置にアプロディテ(ヴィーナス)が女王然として佇んでいます。 一般的解釈では、次のように理解されているようです。 ・ヴィーナスは他の登場人物より一歩引いた場所にいてこの無言劇を司る役割を演じている。 ・ヴィーナスの衣…

エロスの矢

よい機会なので、矢の話を続けましょう。 まずは定説からです。以下はサイト本編の一般的解釈から引っ張ってきました。 ・中央の目隠しされたキューピッドはその愛の色矢を三美神の中央の「貞潔」に向かえてつがえ、「貞潔」は左の「愛欲」と右の「美」に導…

プシュケ説の根拠

キャストとテキストの紹介が済み、いよいよ絵の解説へと進むのですが、その前に右から2人目の女性が本当にプシュケなのかどうかを、チェックしておくことにします。 まずは定説に触れておかねばなりません。 古今東西「春」には様々な解釈がありますが、2人…

エロスとプシュケ テキスト(その2)

ここで「春」のテキスト、「エロスとプシュケ」を紹介しておきましょう。 少し長いですが、(ブログの場合2回に分けると前後が逆さまになるので)お付き合い下さい。 なお、作成した文章は、「トマス・ブルフィンチ著、野上弥生子訳 『ギリシア・ローマ神話…