ChatGPTに聞いてみた

ちょっと脱線します。昨年2月に〈春と誕生〉のアブストラクトをアップしたのを皮切りに、これまで分析編を小出しにしてきたのですが、序文以降どなたからもコメントがいただけません。以前は結構いただけたのですが、まったくもって張り合いがありません。そ…

〈春と誕生(分析編)〉エロスの目隠し

今回と次回、2度に亘ってエロス(キューピッド)の分析をします。前回書きましたが、この部分が分析編の肝すなわちハイライトです。この話を信じることが出来れば〈春〉の解明に辿り着けますし、そうでなければ謎は謎のままです。ボッティチェリは9人の登場…

〈春と誕生(分析編)〉事実関係

今日から4月です。学生時代の友人はSNSで「私はドジャーズと契約し、大谷翔平選手の専属通訳になることが決定いたしました」なんてホラ吹いてました⁉先月末、京都にもようやくサクラの開花宣言が出ましたが、昨年が早かったせいか、今年ほどサクラの花を待ち…

〈春と誕生(分析編)〉右から2人目の女性

アブストラクトで指摘しましたが、〈春〉という絵が解読できない最大の理由は、右から2人目の女性を取り違えたことにあります。いったい彼女は誰なのでしょうか? 絵から分かることは、西風にさらわれた(運ばれた)ことのある人物ということでしょう。その…

祝!直木賞(拝啓 万城目学 殿)

昨秋、「拝啓 万城目学 殿」と題した記事をアップしたのですが、ちょっと女々しい感じがして、取り下げてしまいました。 最新作「八月の御所グラウンド」を、今まさに読んでいる最中なのですが、そこに思いもよらぬニュースが飛び込んできました。 という訳…

〈春と誕生(分析編)〉蒼白のゼピュロス

〈春〉が描かれてから540年余り。現在は「結婚を祝う絵」と考えている人が多いようです。 でも、それって間違いです。私の考えがオカシイと思う方は、どうぞ反論なさってください。 〈春〉の画面右端にはゼピュロス(西風)が描かれています。最近の解説で、…

〈春と誕生(分析編)〉春のキャスト

〈春〉に描かれた神々の名(右から順に) ギリシア神話名 ローマ神話名 他の一般的な呼称 ゼピュロス 西風 ??? フロラ 花の女神 アプロディテ ウェヌス ヴィーナス エロス クピドまたはアモル キューピッド カリテス (アグライア、エウプロシュネ、タレ…

〈春と誕生(分析編)〉春の画題

〈春と誕生〉の中身を小出しすることにします。原稿は完成しているので、本来なら出版が叶えば良いのですが、今のところ、どの版元も首を縦に振りません。そうなると、私にできる発信手段は、今のところこのブログ位しかありません。ボッティチェリは〈春〉…

〈春と誕生〉序文

今年2月に〈春と誕生〉のアブストラクトをアップしましたが、今回は序文です。春は謎に満ち満ちた作品ですが、ヴィーナスの誕生(この誰もが知る名画)も、現在まで制作動機は不明です。〈春と誕生〉は序文の後、分析編・総合編・展開編・完結編の4章で構成…

〈春と誕生〉アブストラクト

サンドロ・ボッティチェリの〈春:プリマヴェーラ〉は、制作後約540年、決定版と言える解釈が存在しない、西洋美術史上第一級のミステリーである。現在は、結婚を祝う絵と考える説が主流のようだ。この絵の謎を解き明かし、そこに込められた画家の「真意…

「待つ」ことについて

古今東西を問わず、何事かを成し遂げるためには「待つ」時間=期間が必要である。 このことは、先人たちが残してくれた金言からも、推し量ることが出来る。 ・人事を尽くして天命を待つ(私の義父が好きな言葉) ・果報は寝て待て(個人的にはこれが…) ・待…

至高の日本工芸

毎週土曜日の夜、TV東京の「美の巨人たち」を欠かさずに見ている。 8月は毎年恒例の「建築シリーズ」で、城をはじめとする国内の建築4作品が紹介される。 今年の目玉は、世界文化遺産に登録されたばかりの、ル・コルビュジエ「西洋美術館+世界遺産作品群」…

フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館 4K3D

なんと、3年ぶりのブログ更新です。 映画 『フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館 4K3D』 が先週土曜日(7/9)から公開されています。 私も、今月中には観に行きたいと思っています。 残念ながら全国どこでも、という訳にはいかないよう…

極める_甦る金唐革

以前から動画をアップしたかった過去の番組に、TV東京の「極める(日本の美と心)」がある。20年前の放送なので、画質・音質ともに良好とは言い難いが、金唐革という工芸ジャンルに興味のある方は、ぜひご覧ください。 1993年2月12日放送 TV東京「極める(日…

美の京都遺産2

先日放送のあった「美の京都遺産」に少しだけ顔を出した。 昨年2月に収録したので、本来ならこれが私のTVデビューになる筈だった… ところが、今年の初めに関西の人気バラエティ番組からお声が掛かり、そちらに先を越されてしまった。 あまりにも性格の違う2…

美の京都遺産

関西圏だけの放送なのが残念だが、毎日放送の日曜早朝の番組に「美の京都遺産」がある。担当ディレクター曰く「視聴率を気にせず自由に作れる」だけあって、民放としては極めて質の高い番組である。 来る3月3日6:15〜6:30に、亡き父「徳力彦之助」を取り上げ…

天地創造4

制作の途中、下絵発表の段階からマスコミを賑わしていたこの作品だが、肝心の受け皿(オペラハウス)の計画が暗礁に乗り上げてしまい、行き場を失ってしまった。しかし完成披露は京都市美術館において、約2週間にわたって行われた(「天地創造」がKBSホール…

天地創造3

とはいうものの、彦之助には最初から目算があった。それは彼がこれまでモザイク壁画(姫路市名古山仏舎利塔内の縦2.4〜3.6m、横約75mの「佛傳図」)等の作品で手がけてきたアクリルという素材である。 アクリルは今でこそいくらでも私たちの身の回りに存在し…

天地創造2

ところで、これくらい大きな作品を制作するとなると当然様々な問題が起こってくる。そのうちのいくつかを紹介してみよう。 まずは重さの問題である。240㎡のステンドグラスを通常の技法で作ったのでは重過ぎて自己崩壊してしまう。事実ヨーロッパの古いステ…

天地創造1

ステンドグラスというと大方の人は教会の窓やランプシェードを連想されるだろう。しかし彦之助が制作した「天地創造」というステンドグラスは、オペラ劇場の緞帳として計画されたものだった。 1997(平成9)年秋、東京・初台に関係者の永年の念願がかない、…

お化け屋敷5

それに対して、エクステリア(外観)の方は古く見せる努力が必要だった。しかしそれはまんまと成功し、新築祝いの人たちがたどり着けなかったのは誤算だったとしても、お化け屋敷の称号を与えられ、今も太秦の街に異彩を放っている。 《京都・太秦の広隆寺の…

お化け屋敷4

実は、その家は建築当初から古かった。 どのくらい古かったのかと言えば、新築祝いにやって来た人たちが、見過ごしてその前を通り過ぎてしまう程だった。 〈新しいものはすぐに廃れてしまう。しかし最初から古いものなら、いつまでもその印象は変わらない〉…

お化け屋敷3

太秦のお化け屋敷(古い大きな洋館)はもちろん出ない方である。なぜ自信を持ってそう言い切れるかというと、そこでは1937(昭和12)年の竣工以来、私が最後に暮らしていた1992(平成4)年に到るまで、誰一人として亡くなっていないからである(…

お化け屋敷2

スタジオ・ジブリの人気アニメ映画『となりのトトロ』で、主人公の父親(声は糸井重里)が引っ越してきたばかりのボロ家(サツキとメイの家)に、何か得体の知れないものが居ると聞かされてこんな風に答える場面がある。 「そりゃ〜すごいぞ〜、お化け屋敷に…

お化け屋敷1

京都市の西、嵯峨野まであと数kmというあたりに太秦(うずまさ)という処がある。古代史のファンなら大いに興味をそそられる程の、歴史的に由緒正しい土地(地元の学校ではそう教えている)なのだが、今ではすっかりベッドタウン化してしまい、往時の面影を…

徳力彦之助

これからしばらくは 父、徳力彦之助(Tokuriki Hikonosuke 1905〜1996)のことを書こうと思う。テーマは(多分)4つ・金唐革(きんからかわ) ・ステンドグラス ・梵鐘 ・お化け屋敷気ままに書いていくので、 どうぞお付き合いください。

ドラッカーの言葉

あらゆる事物に複数の側面があることを認識することは至難である。経験的に身をもって確認ずみのことにも、他の側面つまり裏側や別の面があること、しかもそれらの側面の様子が自分の見ている側面とは違うこと、したがって、それらの側面を見るかぎり、自分…

神様の悪戯

142857 この数字をご存知でしょうか 何の変哲もない6桁の数字 素数ですらありません ちなみに 142857=3×3×3×11×13×37 ところがこの数字に2を掛けると 142857×2=285714 何が起こったか分かりますか 3を掛けると 14…

死、その先にあるもの

死とは人生の結末ではない それは重力からの解放に過ぎない 言い換えれば 肉体という重荷を下ろすことだ 古代ギリシアの人々は 人の死を蝶の羽化に喩えた 人は死後何処かへ行くのではない その先にあるもの それは春に他ならない

公開します

突然ですが、 拙論「春の寓意」をネット上で公開することにしました。 ただし、期間は2010年末までです。 この前の日曜日(5/23)、出張のために早起きしたら、 NHKで「書籍電子化 どう対応?」と題した特集をやってました。 その中で、電子書籍形式の原稿の、…