整理整頓

                          
話があちこちに飛んでしまい、分かりにくくなっていますので、この辺りでちょっと整理することにしました。


ブログの冒頭で宣言したとおり、このサイトのゴールは、「春」の5つの謎(4つのディティールと、1つの言葉)と4W1Hに回答を与えることです。
これら10の課題を縦糸に喩えるなら、ブログやコメントを書いている途中で発生した、新たな疑問が横糸です。横糸は今後も増えるかもしれませんし、最終的に何本になるのか今のところ私にも分かりません。
では、現時点で何が分かっていて何が分かっていないのか整理してみましょう。中には重複するものもありますが、今回はご勘弁ください。


縦糸系(main strings)は既に6.5/10が解明済みです
①When制作時期:1476年5月〜1478年4月のある時期(完成年は1477ないし1478年)
②Where制作当初の設置場所:パラッツォ・メディチ(現在の所有者はリッカルディ家)
③Who注文主:ロレンツォ・デ・メディチ(イル・マニフィコ)
④第1の壺 Why制作動機:シモネッタ・カッタネオ・ヴェスプッチの死
⑤How絵のテキスト:エロスとプシュケ
⑥蒼白のゼピュロス:死を暗示している
⑦第2の壺 右から2人目の女性の仕種(吐き出される切れ切れの草花と極端に返された右手首):女性はプシュケPsyche、ただし仕草については未解明
⑧エロス(キューピッド)の目かくしと炎の矢:未解明
⑨ヘルメスの宝杖(杖に巻き付く2匹の竜とその向き):未解明
⑩第3の壺 「春」または「春の寓意」という題名:未解明


横糸系(cross strings)は、今のところ⑦以外全滅です
①「春」における∧と∨(男女の性を象徴する)はどこに描かれているか
②「書斎の聖アウグスティヌス」との様式上の大きな変化は何によってもたらされたのか
③右から2人目の女性(プシュケ)の手が透き通るように描かれている理由
④パッツィ事件以降に「春」を描くことが出来ない理由
⑤「春」の所有者がロレンツォからピエルフランチェスコに替わった理由
⑥テキスト「エロスとプシュケ」と絵の矛盾点(フロラと幼児のエロス)は何を意味するのか
⑦「春」の中に唯一描かれた真実の花とは:フロラ(花の女神)右から3人目の女性
⑧(エロスの矢に対する)的は絵のどこに描かれているか
⑨エロスの目かくし(盲目を表現しているのではない)の意味は何か
⑩カリテス(三美神)は何を祝っているのか
⑪絵を読み解く重要なkey画面右下のアイリス(菖蒲)は何を表しているのか
⑫シモネッタの魂を、画家はどのような方法で絵の中に封印したのか
⑬「春」の中で、死と祝祭はどのようにすれば結びつくのか
⑭なぜ矢は的を直接狙っていないのか(4/4追加)


まだ横糸系が多く残っていますが、縦糸系の残り3.5個が解明すれば、これらは自然と理解出来るようになります。
この後、謎解きのターゲットとなるのはエロスです。
彼の「目かくし」と「炎の矢」の意味が判れば、「春」のゴールはもう目の前です。
(snow)